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2021年12月10日

第二次ロンドン海軍軍縮条約(第3章:事前通知と情報交換の義務)

第3章:事前通知と情報交換の義務

第11条

各締約国は、自国の管轄区域内で建造されるか否かを問わず、第12条中の(a)に掲げるカテゴリー及びサブカテゴリーのすべての艦船の建造及び取得のための年次計画に関する情報、並びに当該艦船及び既に完成した当該カテゴリー又はサブカテゴリーの艦船の改造の詳細を示す定期的な情報を、以下に定めるとおり、他の各締約国に伝達しなければならない。

この条約の本編及び後編の目的上、情報は、当該情報が提供された締約国に派遣されている外交官に当該情報が伝達された日に、締約国に到達したものとみなす。

この情報は、その情報を提供した締約国が公表するまでは、秘密として取り扱われる。

第12条

1つの締約国によって又はそのために建造された艦船に関して前条に基いて提供されるべき情報は、 次のとおり提供されるものとし、かつ、他のすべての締約国に前記の期間内又は時期に到達するようにする。

a. 各暦年の最初の4ヶ月以内に、以下のカテゴリー及びサブカテゴリーに属するすべての艦船の建造の年次計画を、各カテゴリー又はサブカテゴリーの艦船の数及び各艦船について最大の砲の口径を明記して提出すること。
通知の対象となるカテゴリーとサブカテゴリーは以下のとおりである。

主力艦
・サブカテゴリー(a)
・サブカテゴリー(b)
航空母艦
・サブカテゴリー(a)
・サブカテゴリー(b)
軽水上艦艇
・サブカテゴリー(a)
・サブカテゴリー(b)
・サブカテゴリー(c)
潜水艦

b. キールを敷設する日の4ヶ月以上前に、各当該艦船に関して以下の要目を通知する。

  • 艦名
  • カテゴリーおよびサブカテゴリー
  • 基準排水量(トンおよびメトリックトン)
  • 基準排水量における吃水線での長さ
  • 基準排水量における吃水線上の長さ、基準排水量における吃水線上または吃水線下の最大幅
  • 基準排水量での平均吃水
  • 設計馬力
  • 設計速度
  • 主機の種類
  • 燃料の種類
  • 口径3インチ(76mm)以上の全ての砲の口径とその門数
  • 口径3インチ(76ミリ)未満の砲のおおよその門数
  • 魚雷発射管の数
  • 機雷を敷設するように設計されているか否か
  • 装備されるべき航空機のおおよその数
  • 各艦船のキールの敷設後できる限り早く、その敷設された日

c. 各艦船の完成日から1ヶ月以内に、完成日と、完成時の船舶に関する上記(b)項で指定されたすべての要目を通知する。

d. 毎年1月に、上記(a)項に記載されたカテゴリーおよびサブカテゴリーに属する艦船についてすべての要目を通知する。

  1. 建設中の船舶について、前年中に行う必要があると判明した重要な変更に関する情報で、これらの変更が上記(b)に記載された内容に影響を与える場合のもの。
  2. 前年度中に完成した艦船に施された重要な変更に関する情報で、これらの変更が上記(b)に記載された内容に影響を与える場合のもの。
  3. 前年度中に廃艦またはその他の方法で処分された艦船に関する情報。そのような艦船がスクラップされない場合には、その艦船の新たな地位と状態を決定するのに十分な情報を提供しなければならない。

f. 完成した艦船が上記(a)項に記載されたカテゴリーもしくはサブカテゴリーのいずれかに入ることになるような改造、または艦船が上記カテゴリーもしくはサブカテゴリーのいずれかから別のカテゴリーに変更されることになるような改造を行う前の4ヶ月以上前に、上記(b)項に規定された要目を通知する。

第13条

第12条(a)に掲げるカテゴリー又はサブカテゴリーに属する艦船は、その艦船が含まれている年次計画及び第12条(b)に規定するその艦船に関する要目が他のすべての締約国に到達した日から4ヶ月の期間が経過するまでは、起工してはならない。

第14条

第12条(a)に掲げるカテゴリー又はサブカテゴリーに属する完成した又は部分的に完成した艦船を締約国が取得しようとする場合には、当該艦船は、同条に規定する年間プログラムに含まれる艦船と同時に、かつ、同一の方法で申告しなければならない。当該艦船は、当該申告書が他のすべての締約国に到達した日から4か月の期間が経過するまでは、取得してはならない。当該艦船については、第12条(b)に記載された事項に加えて、キールが敷設された日を記載し、当該艦船の取得のための契約が締結された日から1ヶ月以内に他のすべての締約国に到達するようにしなければならない。第12条(d)、(e)及び(f)に掲げる事項は、同条の規定に従って提供されるものとする。

第15条

各締約国は、第12条(a)に規定する年次計画を通知する際に、他のすべての締約国に対し、過去の年次計画及び宣言に含まれるすべての艦船であって、まだ起工又は取得されていないが、最初に述べられた年次計画でカバーされる期間中に起工又は取得する意思があるものを通知するものとする。

第16条

第12条(a)に掲げるカテゴリー又はサブカテゴリーに属する艦船の起工前に、第12条(b)に基づいて通知された当該艦船に関する要目に重要な変更が加えられた場合には、この変更に関する情報を提供し、この情報が他のすべての締約国に到達してから少なくとも4ヶ月後まで、起工を延期する。

第17条

いかなる締約国も、第12条(a)に掲げるカテゴリー又はサブカテゴリーの船舶であって、当該年度の建造の年次計画若しくは取得の宣言又はそれ以前の年次計画若しくは宣言に以前に含まれていないものを起工し、又は取得してはならない。

第18条

この条約の締約国でない国の注文による第12条(a)に掲げるカテゴリー又はサブカテゴリーに属する艦船の建造、近代化又は改装がいずれかの締約国の管轄内で行われる場合には、当該締約国は、他のすべての締約国に契約の署名の日を速やかに通知し、かつ、当該艦船に関して第12条(b)、(c)及び(d)に掲げるすべての情報を可能な限り速やかに提供しなければならない。

第19条

各締約国は、自国のすべての小艦艇及び補助艦艇のリストに、第12条(b)に掲げる特性及びそれらが意図されている特定の役務に関する情報を、この条約の効力発生の日から1ヶ月以内に他のすべての締約国に到達するように、また、その後の各年の1月中に他のすべての締約国に到達するように、リストの修正及び情報の変更を与えなければならない。

第20条

各締約国は、この条約の発効の日から1ヶ月以内に他の締約国に到達するように、第12条(b)に記載されたとおり、第12条(a)に記載されたカテゴリー又はサブカテゴリーのすべての艦船であって自国のために現在建造中のものについて、当該艦船が自国の管轄区域内で建造されているか否かを問わず、また、この条約の締約国でない国のために自国の管轄区域内で現在建造中の当該艦船に関する同様の情報を各締約国に伝達しなければならない。

第21条

各締約国は、最初の年次建造計画及び取得宣言を通知する際に、他の各締約国に対し、第12条(a)に掲げるカテゴリー又はサブカテゴリーに属する艦船であって、以前に許可されたものであり、かつ、当該計画の対象となる期間中に敷設し又は取得する意思があるものを通知しなければならない。

この条約の第1章の規定は、いずれの締約国も、この条約の発効の日から起算して4ヶ月の間のいかなる時にも、自国の最初の建造年次計画若しくは取得宣言に含まれる若しくは含まれる予定の艦船又は以前に許可された艦船を起工し又は取得することを妨げるものではない。
ただし、各船舶に関する第12条(b)に規定する情報は、この条約の発効の日から1ヶ月以内に他のすべての締約国に到達するように伝達されなければならない。

この条約が1937年5月1日までに効力を生じない場合には、第12条(a)及び第14条に基づ いて伝達される建造及び取得宣言の最初の年次計画は、この条約の効力発生の日から1ヶ月以内に他のすべての締約国に到達するものとする。

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